ほしのはなの日常

月の石 ~ 1970年大阪万博に想いを寄せて

 

私の母親は
トビキリ素敵な人でした。

 

彼女が26歳で迎えた
1970年の夏。

好奇心に胸を踊らせながら
灼熱の大阪万博会場で
たった5秒間ほどの目撃のために

【月の石】とされる
物体が置かれていた
アメリカ館に対して
5時間の待機時間をくぐり抜けた
エピソードをよく話してくれた。

 

たった、半世紀後

その正体は
自宅の庭先に転がっている石と
そんなに違いが無いモノだった
と判明するだなんて

素直な彼女は
つい、ウッカリだったとしても
思い浮かべたり、妄想したり
したことがあっただろうか?

 

2021年秋、
「いつか月に行って、無重力で
ふわふわ浮いたり
クルクル回ってみたいな」
そう、できると信じて疑わずして
(かどうかは本人しか分からないけど)
この世から旅立った彼女。

知らないほうが幸せなことって
世の中にはゴロゴロあるんだろう。

特に自分にとって、対象となる
ヒト・モノ・コト
好ましい、または
そうあって欲しい存在
だった場合

その真実の姿に逆の意味合いを
付けられたなら
私自身、何事も無かったかのように
振る舞える自信はほぼ、ない

 

けど。

 

【月の石】の正体を
彼女に告げたとして
もしかしたら、ひょっとしたら
あの、トビキリ素敵な彼女なら

5秒ほどの沈黙と
3回ほどの深呼吸で
いや、一瞬のたちまちにして
「そういうこともあるでしょう」
華麗にふんわり笑みを浮かべて
日常の、普段の自分を取り戻すのを
やってのけるかもしれない。

 

私は48年間もの長い時間
「執着しない」お手本を
目のあたりにさせてもらっていたことに
感謝の気持ちをより一層深められる
喜びの中にいる。

 

 

 


星野 華..:*☆☽
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ABOUT ME
星野 華
季節の移ろいを感じながら、あなたの持つ光を照らしていきます 星空ヒーラー..:*✽星野華と申します。寂しがり屋の1人好きアラフィフ主婦。頭の中で【言葉】というお花の畑をお手入れする毎日を過ごしています。クスっと笑ってくださると嬉しい小話や歌を披露しています..:*✽